院長 尾﨑 優
背景にある精神障害(自閉症スペクトラム症、注意欠如多動性障害、知的障害、うつ病、社会恐怖症、強迫性障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害など)の有無に関係なく、患者様の置かれている状況を考えます。
例えば、昨今益々過熱している中学受験をお考えになっているご家族で、親子ともにお悩みがある場合。学校での対人関係でどうしてよいのか悩んでいる場合。子供への対応に困っている場合等、精神疾患に関係なく、日常生活を送る上で誰もが直面する問題に対しても相談して頂ければと思います。お話を聴かせていただき、患者様に何が必要か、その都度一緒に考えさせていただきます。
その中で心理療法が必要な患者様には、臨床心理士による心理療法も組み合わせて受けていただきます。
公認心理師、臨床心理士 深谷 薫
人は、親になった途端に、親業を成し遂げる力が備わっているわけではなさそうです。
親は子どもとの時間を過ごすなかで、技術や方法を手探り状態で取り入れていき、自らの感情コントロールも学んでいくのだと思います。その方法は、手順が明確なものでもなく、それぞれ子どもの特徴や状況は異なり、とても不明確なものであります。先に解説や答えを、知り得ることは無理です。そんな業だからこそ、その中で得た感動や経験は、他の業では得ることのない無限力であるように思います。また、それらの手応えを頼りにして、更に向き合い前進していけるのかもしれません。
しかしながら、時折訪れる、おやこの危機的な事態は、非常に心身ともに悲観な状況に陥りやすいです。子どもは未熟ながらも、自分の置かれている状況などを、無防備で全面的に心や身体で受け止め、必死でもがこうとします。それをなんとか応えようと親はします。その関係性はとても複雑で、子どもの傷つき体験や、発達の特徴や個性。親のライフサイクルや、癒えていない心の傷なども影響しがちです。その際に、おやこでそれぞれの心に向き合い傷を癒し、より自分らしく在るための策を整理し、おやこで新しい力源を得ることが必要です。
その一助として、個々の状況に沿った心理療法を組み合わせて関わらせていただけたらと思います。